映像業界の仕組み 相関図

映像業界は様々な職人や会社が分業しながら制作します。

例えれば、注文住宅を建てるようなイメージです。住宅メーカーの営業が予算を立てヒアリング。設計士が設計図を書き、デザイナーがインテリアをコーディネート、工務店が抱える大工さんが家を建て、水道会社、電力会社、ガス会社、家具屋に引っ越し会社、寿司屋に酒屋まで。

他にもビルを建てる規模の映画制作、建売のようにフォーマットに当てはめる映像制作、庭に小屋を建てるだけの小さな映像制作、パパが犬小屋をつくるような個人が空いた時間でつくる運動会ムービーなどもあります。

で、映像業界はどちらかというとクローズな世界。徐々にオープンになりつつありますが、自分のような独学系クリエーターと師匠持ち老舗クリエーターで二極化してきているように感じます。

と、いうことであなたはどのエリアで仕事をするのか、立ち位置の把握も大事なので映像業界の相関図をテーマにお話します。

一目で丸わかり 映像制作業界相関図

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映像制作業界 相関図※あくまで経験値によるものです。

ざっとこんな感じです。以下矢印の補足をしておきます。

1.CM制作の場合

①クライアントからCMの制作・放送の依頼が広告代理店に来ます。基本的に「テレビでのCM放送は広告代理店を通して行う」という暗黙のルールがあるので、制作会社に依頼が来ても広告代理店を通すことになります。(広告代理店業を兼ねた制作会社もあります。)

②CM依頼が来た広告代理店は、CM内容の企画を行い制作会社に制作を依頼します。広告代理店によっては媒体管理(テレビ局へのCM出稿)のみを業務とし、企画も制作会社に投げる場合もあります。同時にテレビ局への放送枠と費用の交渉を行い、クライアントに提案します。

③依頼が来た制作会社は絵コンテの作成や制作チームを編成し制作に着手します。制作会社によっては自社完結で制作してしまう場合もあります。

④広告代理店はCM企画と同時にタレント事務所にキャスティング依頼を出します。ナショナル企業のCMなどではここにキャスティング専門の会社が入り、旬なタレントや一押しタレントなどをピックアップすることもあります。

⑤出来上がったCMをテレビ局に出稿をします。この時テープで納品することがほとんどです。(一部データ納品もあります。)またCMの出稿には10桁コードの申請が必要になります。また放送費用の数割がテレビ局から広告代理店に支払われます。

⑥最近は、テレビと同時にWEBでの広告も行うので各種媒体での出稿と運用を行います。ここでWEB広告の運用専門の代理店に投げることもあります。

2.テレビ番組制作の場合

⑦テレビ局から制作会社に制作依頼を行います。(いわゆる下請けです。)局内で制作を完結することもありますが、現在ではほぼ下請けに投げます。

⑧企画段階から構成作家、脚本家と何時間もの打ち合わせを行います。

⑨こちらも納品はテープで行います。(一部データ納品も可能です。)

※地方局や独立局では番組枠をスポンサー側が買い取って、自社制作する場合があります。その場合、テレビ局は放送のみの役割になります。

3.企業PVや商品紹介映像などの制作の場合

⑩WEBの発達で企業も動画を用いたマーケティングを行うようになりました。WEBサイトや映像制作は広告代理店を通して行って来たナショナル企業でさえ広告以外の映像は直接制作会社に依頼することが多くなって来ています。理由は簡単。直接依頼の方が費用が安いから。他にも中小企業も動画マーケティングの時代なので、直接依頼は日々多くなりつつあります。

⑪タレントやモデルや役者、ナレーターなどは制作会社からも依頼します。

4.WEBサイト制作会社からの依頼も多い

相関図にはありませんが、最近はWEBサイトの制作会社からの依頼も多いのが事実です。

トップに配置する映像やサイト内のコンテンツ、WEB広告などなど。

WEB映像に関しては再生回数も含め視聴者の反応が如実に現れます。ですからWEBマーケティングを熟知していないと結果の出る映像を作ることは難しいと言えるかもしれません。絶えず最新のWEBマーケティングの情報を得るようにしましょう。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?今回の相関図は主にはテレビやWEBでの映像制作になります。映画制作の場合はここに配給会社や製作委員会も入ってきます。

あと、相関図には書ききれていないですが、制作チームにはフリーランスも多くいます。窓口は制作会社でそこからフリーランスに外注という具合です。

フリーランスの場合は、レギュラー案件ほどありがたいお話はありません。つまりテレビ番組やドラマです。逆に単発物の企業案件はガッツりとした収入になりますが、制作依頼のタイミングにムラがあるので、よほどの人脈か集客できるサイトを持っていないと厳しい世界になります。

テレビに関わる分野は未だにクローズドで「暗黙の業界ルール」があり、逆にWEBに関わる分野はオープンで効率性が求められています。そういう意味でも独学クリエイターとして仕事をしやすいのはWEBの方では無いでしょうか。

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