テレビ業界の今後

今年はラグビーワールドカップ

2020年には東京オリンピック

そして2025年には大阪万博

と今後、世界的なイベントが目白押しの日本ですがこと映像業界ではどうなのでしょうか?

気になる動向をチェックしてみました。

テレビ離れは進んでいる?

どのメディアでもテレビ離れが進んでいると言われていますが、これはその通りで。自分も映像制作やっていますが全くと言ってイイほどテレビは見ません。理由はテレビよりスマホで気になる情報ばかり追い求めていたり結婚して子供ができたことでテレビよりも子供の相手をしていたり。などなど。

ということで統計です。

出典)総務省情報通信政策研究所「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc262510.html

特筆すべき点は全体で見ると

テレビの平均視聴時間/1日    168分(平日)

ネットの平均使用時間/1日    99.8分(平日)

20代で見ると

テレビの平均視聴時間/1日   112.8分(平日)

ネットの平均視聴時間/1日   155.9分(平日)

全体ではテレビが強いですが、20代で見るとネットの方が強いということ。

しかしながらテレビの収益源はスポンサー収入です。スポンサーはCMを出すことで売り上げを高めます。視聴者はCMを見て商品を買います。で、一つのポイントととして購買力のある年代は実は30代以上。表を見てもわかる通り30代以上はまだまだテレビの方が優先度が高いのです。

20代と30代の分岐点が今後、どこの位置に行くかによってテレビ業界の行く末がわかります。

テレビ装置が無くなるかもしれない

スマホが普及し始めてちょうど10年くらいでしょうか、今の20代が30代になったとき完全にネットがテレビを越えることになると思います。

その時、テレビの力は弱まり古い媒体となり得るかもしれません。

ただ、現在ではテレビの方もネットに移行し始めてコンテンツ自体は絶えず新しい面白いものが増えています。

個人的な推測ですが今後10年でテレビとネットの比較はなくなると思います。イコール、テレビという装置は無くなる・・・・という具合に。

つまりネットもテレビも同じ媒体。コンテンツはそのままで。

しかし、この問題は技術的な革新があってこそ。というのも電波で映像を伝達するテレビとネット回線で映像を伝達するには画質、スピード、容量に格段の差があります。

テレビ電波とは

ここで簡単に電波のお話。

一般に使える電波の周波数は決まっています。現在のテレビは470〜710MHz、以前はアナログ放送でもっと範囲が広かったのですがデジタル化により帯域は狭くなり、代わりに携帯電話などに周波数が解放されました。ちなみにこれ以外の周波数には公共無線や飛行機の無線、その他の使用用途が割り当てられています。携帯電話の4G回線などはこの周波数の解放によるものです。

テレビ局には大きな送信用のアンテナがあり、各地域に電波を送信しています。東京のスカイツリーなんかは1400万世帯に送信しています。また受信は中継地点の電波塔や準キー曲の受信機、BS・CSなら衛生なども駆使。そして各家の屋根のテレビアンテナ(もしくはケーブルテレビなら電柱を通じて有線で)で受信します。テレビの放送と開始に整備されてきたこのインフラは莫大なコストと歴史があります。

そして電波の性質上、無線でありながらデータを送信しているわけではないので容量は軽くすることができます。

(例えるなら、電波は隣の人に超高速で伝える伝言ゲーム。データ送信は超高速で荷物を届けるトラックです。)

つまり、テレビ電波の場合、多くの視聴者に高画質で大容量の電波を確実に届けることができます。

ネット配信とは

一方で、ネット配信とはどういうことなのかというとインターネット回線が電柱や海底ケーブルを通して世界中に張り巡っています。つまり有線でデータを送受信することで成り立っています。(wifiは無線ですが数百メートルの範囲まで)

あくまでデータを送信しているわけです。

つまり、見たいときにデータをダウンロードすれば視聴が可能ということになります。

映像データというのは例えば30分の番組でもそれなりの画質なら3GB〜5GBは必要です。

かなりネット回線は早くなりデータの圧縮率や動画ブラウザーの技術が進んでいるので、youtubeを見ていてもそんなにテレビと変わりないように思います。

でも、同時に大勢の人数が同じタイミング(生配信)映像を見ようとすると通常のサーバーや回線では負荷がかかりすぎて見ることさえできなくなってしまいます。

先ほど「テレビ装置は無くなるかもしれない」というお話をしましたが、現状のテレビ電波のメリットがネットにも反映することができる技術が開発されればそうなるかもしれないということなのです。

補足なのですが、大容量のデータの送受信の技術開発の鍵は「量子力学」の解明が進めば大きな進歩を得ると言われています。

5Gが登場!どうなるの?

(2020年1月追記)

今年にとうとう5Gが登場しますね。

5Gになれば上記に述べたデータの遅延が解消されることでしょう。

スマホで見たいものがサクサク手に入ります。

同時にネットがテレビに勝つ時代ももう間近。

ただ、5Gはエリアが狭いとかなんとか・・・

さあどうなるのでしょう?もう少し状況を見守りたいと思います。

ただ言えることは映像クリエイター時代の到来です。

今まで、下請けで死に際で踏ん張って来た人は主役の時代です。

でも、ここで一つ注意点。5Gになろうが、どんなに早くなろうが映像クリエイターの仕事量はそのままです。

動画の需要は高まりますが仕事量は同じでしょう。オフラインの編集容量は同じなので5G関係ありません!!

みんながサクサク動画を作りますがプロはしっかり道を選ばないと素人映像クリエイターに負けてしまいます。

逆に才能あるクリエイターと才能の無いクリエイターの格差が如実に現れると思います。

なんでもできる映像クリエイターになりましょう。

「コンテンツを作れるものが富を得られる」ということです。

ちなみにジブリがとうとうネットフリックスに登場ですね。

素晴らしいことです。

良い作品を作れば世界で見てもらえる。

今後の流れを注視していきたいと思います。

とはいうもののコンテンツの需要は高まるばかり

テレビはやっぱり・・・というお話をしましたが、制作者にとってはほぼ関係はありません。

現在はコンテンツが不足している状況とも言われています。

テレビが調子悪かろうが、エンタメは今も昔も求められています。どこで見てもらうかだけのお話なのです。多くの人が見るエンタメには広告を出したい企業がいます。そして収益が上がります。映画やドラマなど感動した対価は何十億、何百億もの収益を生み出します。

今まではテレビや映画でしか映像コンテンツを出せなかったのが、それぞれ各個人が映像コンテンツをどこでも配信できるようになりました。

youtuberのように個人がテレビ局になって来ています。

でも、今後さらに増えそうなのがプロが作ったコンテンツ。確かに量産はできませんが、確実な技術で最高のエンタメを含んだプロのコンテンツはより多くの感動を生み出します。

ネットフリックスやアマゾンプライムでもオリジナルコンテンツが増えて来ています。枠にとらわれず、利権も絡まず、「より良いもの」を生み出せる環境が増えて来ています。

そう意味ではテレビにとらわれずに「作りたいものを見たい人に届けられる」という観点でいれば映像クリエイターはまだまだ今後伸びていく業界だと思います。

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