映像デザインカラー講座02「配色技法」

はてさて、今回は配色技法のお話。

配色技法というと「難しそう」となりますが事例にそって書いていきますので

覚えておくと役立つ内容になるのでおすすめです。ファッションやインテリアにも活かせる技もご紹介します。

グラデーションなど統一感のある配色 [ドミナントカラー]

ドミナントとは「支配」を意味する言葉です。言葉を覚える必要は無いですが

「あっ。そうなの?」くらいでOKなお話。

ドミナントカラーは「色相」「トーン」で統一感を出す配色技法になります。

色相(しきそう)・・・赤・黄・緑・青・紫といった色の種類

マンセルシステムでの色相環

Premiere Proでのカラーグレーディングでは色相環を使います。

トーン・・・明度(明るさ)彩度(色の濃さ)を合わせた色の表現方法。同じ色でも明るさ、暗さ、薄い、濃いで多くの色があります。

トーン配色の分布図

色相で統一感(ドミナント)を出す配色はいわゆる「グラデーション」のことです。

色相のグラデーション(ドミナント)

トーンで統一感を出す配色はぱっと見難しいのですがこんな感じになります。

ライトグレイッシュでトーンを統一した配色
(ドミナントトーン)

「統一感」これは色を配色する上で結構使います。
広告に多いのですが、要は企業や商品が掲げるブランドカラーで構成する場合や一つの映像として統一感が欲しい場合に使用します。
なんか色相でまとめた配色
私の制作事例でお話するとトーンで統一感を出した場合はこちら↓

トーンで統一感を出している配色事例
参考:鳥取県若桜町 移住促進PV

この時は「全体的に柔らかい色を使用しよう」というテーマでしたので
最初にトーンで統一した色のカラー番号を書き出して色々なテロップに使用しました。
他にもテレビ番組などで多いのですがなんか明るいポップな感じだとビビットでまとめることも多いです。

スポーツ系ユニフォームやインテリアにもよく使われる配色[バランスカラー]

アグレッシブ見せたい配色、はたまた安定感をもたらしたい配色のことをバランスカラーと言います。

簡単に言うと、上に濃い色、下に明るい色の場合は不安定な心理効果が現れます。言い換えればそればアグレッシブとも言えます。

不安定なバランス(アグレッシブ)

安定したバランス

これは例えば、ファッションやユニフォームの配色にも使えます。

ファッションなら黒のパンツを履けば無難にコーディネートできるとよく言いますが、それは単に安定的な意味合いが強いのです。

サッカーのユニフォームでも

ソックスとパンツを濃い色、トップのシャツを明るい色にした場合。

ディフェンシブなチームに見せることができます。

わかりやすい例がACミランとインテルミラノ

ACミランがアグレッシブで攻撃的、インテルミラノが安定してディフェンシブ。

実際にはどちらも攻撃的かつディフェンシブなのですがあくまで心理効果としてこういった配色が可能です。

またインテリアでも床を濃いめのフローリングや濃いめの机にすることで落ち着いた雰囲気を出すことができます。

下に濃いめの色は安定感

映像の場合は下に濃いめのカラーのテロップを入れることで安定感をもたらすことができます。

テロップ座布団は濃いめの色が多い

とりあえずこの配色は間違いなし!!配色の黄金比率はこれだ!! [ イッテンの面積比理論]

色々な色を使いたい。でもどうも配色のバランスが取りにくい。

そんな場合は色の割合の黄金比率があります。それがイッテンの面積比理論です。

黄:橙:赤:紫:青:緑=3:4:6:9:8:6

この割合で色を使うと必ず調和の取れた配色になるというものです。

イッテンの面積比理論 困った時はこの比率を思い出せばOK

まとめ

配色というのは感覚でできてしまう場合はOKですが、もし迷ったら基本に忠実に配色することでより良いクオリティになります。

特に今回の色相環とトーンのお話は映像に関わらずデザインでは必須になります。

まだまだ配色には色々な技法がありますが、映像ならこのあたりを抑えて置くと大丈夫です。

これらの基本を元に映像のカラーグレーディングでは輝度や照度、シャドウやハイライト、カーブ、レベル、コントラストなどの要因が加わります。

それではまた。

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